「ニュータイプの時代」山口周さんの本を何度も何度も繰り返し読んでいます。これから活躍できる人材はいったいどんな考え方をしてどんな行動をとる人なのか。ものすごく今の自分のアンテナに刺さりました。また、子育てをする身として子供たちの考え方、つまり私が子供に残したい「考え方」にも参考になると思いました。
ニュータイプは「問題」を探す
本の一番最初にこのキーフレーズがあります。ちなみに、オールドタイプは「正解を探す」です。
私たちはずっと課題解決、問題解決、という言葉とともに、どうしたら問題や課題を解決することが出来るかという「解」を探してきました。しかし、今では「解」が溢れ出ており、急速に価値がなくなります。今まで「不便」や「不安」「不満」といったなかでこういった考え方が主流でした。しかし、今の時代はそれに対する答えはあふれ出ているため希少ではないためです。
そしてオールドタイプが生み出しているのが「クソ仕事」。また、大量生産大量廃棄という生産性がない環境破壊。長時間労働、投資をしてもそれに見合った成果が全く出てきていないのです。
この状況、、言われてぱっとイメージつきますか?
長時間労働をやめようと言われている中でも全く進まない現在。でも、劇的に変わっている何かを生み出しているわけでもない…
身近な例でいうと、テレビ。20年前のテレビと今のテレビ。20年間で新作はたくさん出されているけれど、2000年のテレビは「薄型」だったし、デジタル放送は2003年スタートです。2020年の今と大きく実はそんなに大きく変わりはないのです。ただ、「機能」は増えているのですが、皆が全ての機能を使いこなせるわけではありません。
「あれがあったらいいのかな」「これがあるといいのかな」という、実は必要のないものを無理やり絞り出して機能として追加し、リモコンのボタンが増える…そのために大量の人員と時間とコストをかける…。でもさほど変化は無いし、改良ではなくじつは改悪をしている、のかもしれません。世界を変えるわけでもない、ただの大量消費、大量浪費を促す「クソ仕事」が、労働時間を増やし、人の精神を病ませます。
では、希少人材と言われる「問題を探せるニュータイプ」とはいったいどういう人なのか…
この本では「理想」を掲げて現状との差分を「問題」として炙り出す人だと書かれていました。そうなるためには明確な「理想」を持つ人しかなれない…と。
「どうなりたいのか」「どう生きたいのか」「どう行動したいのか」…。それが理想です。
そう考えたときに「テレビの新作を出すことが理想」と答える人はいないですよね。「テレビの新作を出して」何をしたいのか、なのです。
自然と共存する方法を考えたい、好きな趣味をやり続けたい、心に余裕を感じる暮らしをしたい、、、等。
こういう思いを解像度高く、熱い気持ちをもってやることが重要で、どんな世界を生きたいのか、どんな人間になりたいのか、どんな風に行動していきたいのか、もう一度自分の心に目を向けてそこで足りない「問題」を探すこと、が今最も必要とされる力です。
でも…知識がないと「問題」に気づくことが出来ない「理想」も見つけられない
「理想の世界、生き方、自分なりの時間の使い方」を解像度高く、熱い思いとともに持つ必要があります。
解像度高く持つためには、知識をためなくてはなりません。
例えば、ワインを知らない人が「ワインで○○をしたい」という理想は生まれません。世の中に戦争というものがあって、実は世の中は既得権益があってそれが発展することを妨げている、という具体的な知識がないとじぶんの理想とする世界がとても小さくなってしまうのです。
だからこそ、現状に流されてしまう。いったい世の中はどんな仕組みの中成り立っているのか、その中で自分はいったいどんな内容に興味を持っているのか、まず知識をつけて、挑戦した人たちを学び、歴史を学び、未来をどうしていきたいのかを考える必要があります。
子供たちの教育も変えていかなくてはならない
なぜ、勉強するのか、子供たちに教えていますか?私はこの本を読んで勉強する「意味」を小学校1年生~2年生、もしくは3年生の間にじっくり伝えていく必要があると思いました。配布された教科書は一度閉じて…
子供たちが勉強するのは皆に遅れを取るからでもなく、テストでいい点数を取るためでもありません。「本当に自分が好きなこと、熱く一生懸命やりたいこと」を見つけるため、だということを伝えなくてはなりません。
そのために足し算、掛け算、分数を理解しなくてはいけないかもしれません。自分の理想を実現するために英語の勉強をする必要があるかもしれません。生物の生態を知る必要があるかもしれません。
もしくは世界の歴史は必要なくても、織田信長、坂本龍馬の生き様や判断能力、その時の時代の背景と変化を学ぶ必要があるのかもしれません。とにかく自分の理想を多くの選択肢の中から選び、そして実現するためのツールとして勉強が必要であることを伝えたいと思いました。
これを伝えることで子供たちに「好奇心」が芽生えればな~好奇心を刺激することが何よりも大切なことだと改めて感じる本でした。
とにかく、好き、に勝るものはない。子供達には早くその「好き」をみつけてほしい。
言われ続けていることですが
- 誰に何と言われようが、世界を変えるまであきらめない力
- 責任感を持ち最後までやり遂げる力
- 極める力
- ポジティブにできる力
これはすべて「好き」である人には本当にかなわない、そして好きだからこそできることだと思います。我武者羅になれる力は絶対に「好き」から生まれるのです。
「好きな世界(理想)」なこと「自分が信じてやまない世界(理想)」をするためにはとにかくまず好きなことを見つけること、好きなことがまだないのであれば、とにかく知的好奇心を持ち行動する力を小さなうちから鍛えることがこれからの世界を変えていく新しい力になると思っています。
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